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村上海賊の娘 上下巻を読み終えました。上下巻合わせて千頁近いはずが、サラっと読めてしまった。特に下巻。上巻は一週間ほどかかって味わいながら読んでいましたが、下巻は三日で読みきった。

下巻のあるシーンから唐突に始まる、二百五十頁に渡る第一次木津川口の戦いは読んでいるこちらが息をきらしそうになるほどの激戦、死闘。一度読み始めたら最後まで一気に駆け抜けるのがオススメ。つまり、二百五十頁を読み切る時間を確保してから読むべし。僕は気づいたら明朝四時で、その日は興奮と眠気でふらふらになりながら仕事をしていました。

一五七六年七月十三日の木津川合戦は、毛利水軍対織田水軍の戦いと記録されますが、その中身は毛利水軍、小早川水軍、そして瀬戸内海の覇者 村上海賊という連合艦隊。対する織田方は泉州海賊というほぼ海賊対海賊の戦いだった。そしてこの村上海賊の娘は登場人物全員方言が入り、更に海賊故か想像しやすい戦国時代の言葉と違い、荒々しさあふれる暴言に近い言葉が頻繁に飛び交う。僕が一番ぞくぞくしたのはこの台詞だ。

「もはや役目など知るか」地団駄を踏んで喚いた。こういうとき、戦国の男が発する下知は最も過激である。「者ども、死ねや!」

この台詞を放った人物は、まるで戦国の将を感じさせない、比較的穏やかな印象だったのだが、戦が始まる瞬間に変貌した。この台詞から木津川合戦が始まった。

登場人物全員が非常に際立った特徴があるのは、著者である和田竜さんが脚本を作ってから小説にするからだろうか。台詞の入れ方が全然違う。むしろ映像作品的な表現と小説ならではの心情描画が合わさって、濃厚な時間・体験をする事ができた。あまり作品を見たり読んだりしてロケ地?聖地?に行きたいと思う事はなかったが、これは実際に瀬戸内海に行ってみたくなった。

僕は和田竜さんの作品はこれが初めてで、まだ代表作である「のぼうの城」を読んだ事がない。是非いずれ読んでみたい。

村上海賊の娘 下巻
村上海賊の娘 下巻
posted with amazlet at 14.04.21
和田 竜
新潮社
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